カサブランカはマグレブ諸国(モロッコ・アルジェリア・チュニジア・西サハラ)最大の商業都市である。12世紀ごろはアラブ人海賊が拠点とする貿易港として栄えていた。15~16世紀にはポルトガルに占領され、ポルトガル人によって「Casa Blanca」=「白い家」と名付けられた。19世紀に入るとヨーロッパ列強諸国との間で主に羊毛の交易が盛んになり、人口が急増していったが列強に対する不満は高まっていった。1907年にヨーロッパ人労働者を住民が殺害した事件を発端として、暴動が勃発。
フランス軍とスペイン軍による攻撃を受け、カサブランカはフランスに占領されることになる。フランスの保護領だった時代にはヨーロッパの影響を強く受け、おしゃれなアール・ヌーヴォーの建物が作られるなど、急速な発展を遂げていった。現在では近代化された高層ビルと、モロッコの古くからの文化が混在する不思議な魅力を持つ街となっている。