エチオピアの世界遺産
エチオピアには8つの世界遺産(文化遺産7、自然遺産1)がある。
・ラリベラの岩窟教会群(文化遺産)
エチオピア正教会の教会堂群であり石を刳り貫いて作られている。11の聖堂とそれに関連した礼拝堂などからなっている。ザグウェ朝(12世紀~13世紀にかけて)に建てられたとされている。
・ゴンダール地域のファジル・ゲビ(文化遺産)
ゴンダールにある小高い丘で、王宮などの建造物群が並んでいる。ここを首都としていたゴンダール期の歴代皇帝たちによって、17世紀~18世紀にかけて居城や聖堂が建てられた。
・アワッシュ川下流域(文化遺産)
世界遺産に登録された際、北東部に位置するハダール村付近の一帯に付けられた名称である。この地で、化石人骨のルーシー(アウストラロピテクス・アファレンシス)が発見された。
・シミエン国立公園(自然遺産)
北部ゴンタール州に位置する国立公園。アフリカの天井とも呼ばれ高山が続くシミエン山地を対象として220平方キロメートルの広さがある。独特の動植物たちが厳しい自然環境のなかで生息している。
・その他の文化遺産
ティヤ、アクスムの考古遺跡、オモ川下流域、歴史的城塞都市ハラール・ジュゴル。
エチオピアのグルメ
エチオピアの主食は、「インジェラ」と呼ばれる穀粉(テフなど)を水で溶き発酵させたものをクレープ状に焼いたパンである。これに、代表的な料理である「ワット」と呼ばれるシチュー状のものや、肉や卵、煮込んだ野菜等を添えて食べる。 ワットには多くの種類がある。また、辛い料理が多いのも特徴である。
コーヒーの原産地として知られるエチオピアではどんな田舎であっても手挽きコーヒーを味わえる。アルコールはビールやワインのほかに地酒の「タッジ(蜂蜜酒)」や「テラ(ローカルワイン)」、「カティカラ(蒸留酒)」などが生産されている。
エチオピアの歴史
エチオピア帝国・ソロモン朝は諸侯の力が強く、ソロモン王の系譜がもたらす権威を使って支配者は統治してきた。これは、東方教会系のエチオピア正教会を国民の約半数が信仰しているためであった。その一方、ティグレ人やソマリ人などのキリスト教を信仰していない民族がエチオピア正教会を信仰するアムハラ人によって支払されるという構造があった。
しかし、エチオピアでは民族構成は地域によって異なり自治権が強かったので、皇帝による諸侯に対する影響力は限定的で、各民族は緩やかな間接支配をその土地の諸侯の下で受けていた。戦乱期には有力者が各地方ごとに名乗りをあげて各々が皇帝を推し、争いが起きた。また、粘り強い外交と、近代化された軍備により、独立国として存在し続けていることがエチオピアの特色でもある。かつてはエチオピアは、アビシニアと呼ばれていた。