グアテマラの世界遺産
グアテマラには、世界遺産が3件(文化遺産2件、複合遺産1件)存在する。
アンティグア・グアテマラ(文化遺産)
グアテマラシティから西へ約40km、サカテペケス県にある都市である。標高1520mの高地に位置する。バ ロック建築と、多くの植民地時代に建設された教会の遺構で有名。1979年に登録された。
キリグア遺跡公園と遺跡(文化遺産)
グアテマラの東部、イサバル県のモタグア川中流域の密林地帯に位置する古代マヤ文明の遺跡のひとつ である。5世紀後半から建てられたとされる、十数個の石碑が遺跡の特徴で、その卓越した素晴らしい石 彫りを評価され、1981年に登録された。
ティカル国立公園(複合遺産)
ペテン低地に存在した古代マヤ文明の大都市である。高い石造技術を誇り、「大ジャガーの神殿」と名付 けられた、ピラミッド状で高さ51メートルの建築物が中心的な遺跡である。また、熱帯の豊かな森林生態 系と生物多様性により、ユネスコのマヤ生物圏保護区の指定を受けている。1979年に登録された。
グアテマラの歴史
グアテマラの地は5世紀から8世紀の間、主にマヤ人が大多数を占めていたが、マヤ文明の衰退により、様々な他民族集団が入ってきた。1492年にコロンブスによってアメリカ大陸が発見され、この地にもヨーロッパ人の征服者がやってきた。1523年、スペインのペドロ・デ・アルバラードが現れ、翌1524年、この地域は征服され、以後スペインによる植民地時代となる。1821年にスペインからの独立宣言をし、同年メキシコ帝国に併合された。
しかし、1823年にメキシコ帝国は崩壊、中米諸州連合を結成し、この一州となったが、連合は結成当初より内紛が絶えず解体に至ることとなり、1838年、連合から分離脱退した。翌1839年にグアテマラ共和国が成立、初代大統領にはラファエル・カレーラが就任した。カレーラの死後、内戦や近隣諸国との戦争、独裁政治、クーデターなどを経て、1944年から1954年の間、ハコボ・アルベンスのもとグアテマラの春と呼ばれる時期が続き、土地改革などの民主的な社会改革が各種進められた。しかし、アメリカの支援を受けた反アルベンス派によって1954年に破られ、長い動乱の時代をグアテマラに招くことになった。1960年から内戦が起こり始め、武装反乱軍(FAR)などのゲリラと政府軍の争いが以後36年間にわたって続いた。
1983年に政治的暴力は終わり、1985年以降はそれに続いて民主的な選挙が行われ、現在に至っている。1996年に平和条約の調印によって内戦状態は終わったが、このとき署名された和平合意の大部分は、1年以上経っても実行されなかった。