フフホトのグルメ
フフホトの名物料理と言えば、やはりモンゴル料理である。モンゴル料理は大きく分けて、「白い食べ物」と「赤い食べ物」の二つがある。「白い食べ物」とは、牛、馬、羊の乳から作られる食べ物のことであり、「赤い食べ物」とは、肉そのものや肉を使った料理のことである。本来は、乳の収穫量の多い夏に白い食べ物を食べ、収穫量の少ない冬に肉を食べていたが、フフホトのような大都市では、年中肉も乳製品もでまわっているため、市内の多くの店で食すことが出来る。
「白い食べ物」には、体が必要な栄養をとるための食事とも言われる、塩味のミルクティーや、ミルクで作ったモンゴルチーズ、バター、ヨーグルトなどがある。「赤い食べ物」には、羊肉の火鍋しゃぶしゃぶ、塩茹で羊肉、羊の丸焼き・串焼きまどがある。素材が新鮮なため、羊肉の臭みも無く、非常にやわらかく、他の都市で食べるものとは比較にならないほど美味しい。
大召
市内の玉泉区大召前街にあるチベット仏教の寺院。日本の寺院と違い色鮮やかなのが特徴である。大召は中国語で「無量寺」、モンゴル語では「伊克召」といい、大きな寺院という意味である。1567年から1572年にかけて、モンゴル族の曾長アルタン=ハンは、フフホト(旧城)と弘慈寺の造営を始め、1580年にフフホト初の寺院として建設された。明代には「弘慈寺」と呼ばれていたが、清朝になって「無量寺」と改名されている。
寺院には、純銀で作った高さ2.5メートルの仏像が祭られているので、「銀仏寺」とも呼ばれている。 チベットの三世ダライラマは自ら大召の銀仏のために開眼式を行ったという。寺院には宗教関係の文化財が多く、そのうち銀仏、竜彫、壁画は、ほかに例を見ないものとされている。
五塔寺
五塔寺はフフホト市の旧城と呼ばれる地域にある。別名は金剛座捨利宝塔と言い、モンゴル語名は「塔奔・斯普日嗄」という。高さは16.5mで、大きな塔の上に、四角形の小さい塔が5つ立ち並び、塔には上から下まで全部で1000余りの仏像の彫刻がほどこされていることから、またの名を「千仏塔」という。その造りは均整バランスがよく、曲線は調和がとれ、厳かで優美だ。五塔寺には、国内で発見された唯一の少数民族の文字(モンゴル文字)で書かれた天文図がある。
天球は北極を中心とした物で、28の経線が描かれており、北極圏、夏至圏、赤道圏、冬至圏、南極圏も描かれている。描かれた恒星の数は約270個で、星の数は1550を超える。 この天文図は清朝の天文学の重要な資料であり、貴重な文化財でもある。また、この五塔寺にはダライラマ3世の時代に、「釈迦の小指の骨」が持ち込まれたという伝説も残り、今でも五塔寺の地下宮殿に眠っているという逸話も残っている。
シラムレン草原
中国語で「黄色い川」を意味するシラムレン草原は、フフホト市内から約2時間行ったところにある。アクセスの便利さから、多くの観光客が訪れる。草原では、乗馬体験、ホーストレッキングが体験できるほか、モンゴル相撲やモンゴル族のパオを訪問して牛の乳搾りや乳製品作りを体験することも出来る。
観光用のパオに宿泊も可能で、夜にはキャンプファイヤーを囲んでの食事、ダンス、モンゴルの伝統的な発声法「ホーミー」の歌を聞くことも出来る。岩山を吹き抜ける風のような高音と地に響くような低音で、その音声は聞く人の脳波をα波に導き、癒しの効果をもたらすと言われている。観光シーズンは6月~9月だが、7,8月がベストである。夏でも草原は寒いので防寒具はかならず準備が必要した方が良い。