マダガスカルの空の玄関口
マダガスカルの空の玄関口は首都にあるアンタナナリボ国際空港である。日本からの直行便は無く、タイのバンコク経由でマダガスカル航空を利用してアンタナナリボへ行くルートが一般的である(週2便)。日本を夕刻に発ち、夜、バンコクでアンタナナリボ便に乗り継ぐ。機内で7時間ほど眠れば現地の朝に到着するので、日本との時差(6時間)はさほど気にならない。その他、エールフランスを利用してパリで乗り継ぐルートもある。国内の移動は、陸路を利用の場合、乗合ピックアップトラック(バス。通称タクシーブルース)かタクシーを利用して都市間を移動する。首都などの大都市ではタクシーベといわれる乗合タクシーやタクシーを利用する。料金は交渉制である。 公共の交通機関は発達していない。空路を利用の場合、国内40都市にマダガスカル航空の路線があり、比較的安い料金で効率よく移動できる。 日本の約1.6倍の国土を持つマダガスカルでは空路のほうが陸路に比べて充実している。
マダガスカルの世界遺産
マダガスカルの世界遺産には、文化遺産が1件と自然遺産が2件ある。
アンブヒマンガの丘の王領地
2001年に文化遺産に登録された。アンタナナリボから北へ車で1時間弱のところにある。王の町と埋葬地および聖地からなる遺跡で、現在では博物館として公開されている。
ツィンギ・デ・ベマラ厳正自然保護区
1990年に自然遺産に登録された。島の西部にある自然保護、景観保護を目的とした保護地域。先の尖った岩が多数並び、数万年かけて石灰岩のカルスト台地が侵食されて形成されたといわれている。岩場のため、乾燥に強い珍しい植物が多数自生している。近くのバオバブも進化して、水を蓄えることができるようになっている。ユニークな動物も周囲のサバンナに数多く生息している。鳥類(90種類以上)、爬虫類、キツネザルなども多数確認されている。
アツィナナナの雨林
2007年、絶滅危惧種のキツネザルなどの生息や生物多様性により、自然遺産に登録された。6つの国立公園にまたがる島の東部の森林である。この森林は古く、この島が6000万年以上前に他の大陸と別れた地理上の歴史を物語っている。
マダガスカルの歴史
5世紀頃、現在のマダガスカル人の祖先となったマレー系の言語を話す人々がボルネオ島より到来し、12世紀にはイスラム教徒との交易が海岸部で行なわれた。ヨーロッパでも存在を知られるようになったのは、ポルトガル船によって16世紀初頭に「発見」されてからである。18~19世紀初頭にはメリナ王朝がメリナ族(マレー系人種)によって成立したが、その後相次いでフランス、イギリスの介入にあう。1896年にはメリナ王国は滅亡して、フランスの植民地になる。1947年フランスに対する反乱があり、1958年にマルガシュ共和国としてフランス共同体内の自治領に移行する。1960年6月26日、完全独立を果たした。1957年、国名をマダガスカル民主共和国に改称した。