マドリード(Madrid)は、イベリア半島の中央、標高650mで、ヨーロッパ諸国の首都では最高度に位置している。政治、経済、文化の中心であるとともに、新旧コントラストのある観光都市である。
石畳の一つ一つから人々の歴史と生活のぬくもりが伝わってくる旧市街がある一方で、 高層ビルが立ち並ぶ「カスティーヤーナ大通りのマンハッタン」と呼ばれる近代的な新市街がある。
9世紀、スペインの歴史に大きな影響を及ぼしたアラブ人は現在のマドリード王宮の場所に砦を築き、これがマヘリット(アラビア語で「砦」)マドリードの始まりとされている。キリスト教徒軍による国土回復戦争最中の1083年、カスティーヤ王アルフォンソ6世はその砦を占領し、アラブ本拠地のトレドへの攻略に備えたのである。その後1561年、カルロス5世を継いだフェリペ2世は、宮廷をトレドからマドリードへ移し、以来スペインの首都として今日に至っている。