マルセイユは南フランスにおける貿易・商業・工業の一大中心地で、近接するトゥーロン軍港に対して、貿易港を有しており、フランスおよび地中海で最大、ヨーロッパでは第3位の玄関港として、110航路、120カ国の360以上の港と連絡している。工業は鉄鋼・化学・プラスチック・金属・造船・石油精製・建設資材・石鹸・食品加工が発達していいる。共和国古代ギリシア語のマッサリア及びそのラテン語訳であるマッシリア(Massilia)に由来しており、漢字による表記は「馬耳塞」と書く。
周辺のプロヴァンス地域と共に、2013年の欧州文化首都になることが決定している。マルセイユの歴史は古く、小アジアから来た古代ギリシアの一民族であるポカイア人が紀元前600年頃に築いた植民市マッサリア(マッシリア)にその端を発し、都市は交易で栄えた。3世紀ごろに、キリスト教がもたらされ、10世紀にプロヴァンス伯の支配するところとなり、1481年にはフランス王国に併合されました。中世にはあまり振るわず、港での交易は18世紀に盛んになった。1720年には大規模なペストの流行で10万人程度の死者が発生したが、18世紀後半には復興した。
フランス革命とナポレオン戦争で一時後退したが、産業の要地となって現在の商工業を中心とする市街が発展し、19世紀半ば以降、港湾施設が充実し多くの工業が興った。しかし、第二次世界大戦ではドイツ軍に占領され、大きな損害を受けた。大戦後は大建設計画により高層ビルの多い現代都市に変貌した。