ネパールは、南北をインドと中国という二つの大国に挟まれた日本の3分の1ほどの小国である。北はヒマラヤ山脈、南はタライ平原が広がり、標高5000mを越える高地から亜熱帯の低地まで気候も様々。
100を越える民族が共存し、世界で唯一ヒンドゥー教を国教とする国であったが、仏陀の生誕地であるルンビニ付近では仏教も盛んである。
ネパールと言えばトレッキングや観光地として有名であるが、近代化の波に押された民主化運動により長く続いた王政が廃止され、今まさに、ネパールに新たな時代がやってこようとしている。
しかし同時に、長く差別を受けてきた少数民族の独立を求める動きの高まりや国内に大きな支配力をもつマオイストの抵抗により緊張状態が続き、王族の権力をめぐる争いや隣国の圧力など様々な勢力が複雑に絡み合うなど 新政誕生に至るまで、数多くの問題が残っている状況にある。