パナマの世界遺産
パナマの世界遺産は文化遺産が2件、自然遺産が3件存在する。
パナマのカリブ海沿岸のポルトベロ-サン・ロレンソの要塞群
カリブ海側に位置する港町ポルトベロに残れさている5つの要塞跡と、そこから南西へ約60kmの地点に残されているサン・ロレンソ要塞の遺構が対象である。1980年に登録された。
パナマ・ビエホの考古学遺跡とパナマの歴史地区
パナマ市の旧市街、コロニアル・パナマ。スペインやフランス、初期アメリカ様式が混在した建築物がzり、当時の街並みが今も見られる。1997年に登録され、2003年には登録範囲が拡大された。
ダリエン国立公園
コロンビアとの国境に接するダリエン県に位置する国立公園。密林地帯となっており、環境は変化に富み豊かな動植物の生態系を持つが、絶滅の危機に瀕したオウギワシやアカクザル、パナマジャガーなどの動植物も多くいる。1981年に登録された。
タラマンカ山脈=ラ・アミスター保護区群とラ・アミスター国立公園
コスタリカとパナマにまたがる自然保護区・国立公園である。1983年にコスタリカの世界遺産として登録されていたが、1990年にパナマのラ・アミスター国立公園が追加、登録が拡大された。国境地帯の変化に富んだ地形と気候により、昆虫・動植物の宝庫であり、生態系は世界でも有数のものとなっている。
コイバ国立公園とその海洋保護特別区域
コイバ島は太平洋岸沖合いに位置する中米最大の島である。特色ある豊かな海洋生態系が周辺にある。2005年に登録され、面積270,125haの国立公園と、160,700haの海洋保護特別地域を合わせて登録総面積は430,825ha。
パナマのグルメ
パナマ料理は先住民と、他のラテンアメリカ諸国の食文化の影響を受けている。主食は米(インディカ米)であり、昼食には米と魚料理、又は肉料理という組み合わせが多い。代表的な料理にはサンコーチョ(濃厚な鶏肉のスープ)やアロス・コン・ポーヨ(チキンライス)、セビッチェ(コルヴィーナという魚のマリネ)、トルティーヤ(タコスの皮。厚め)などがある。代表的な乳製品にはケソ・ブランコと呼ばれる地チーズがある。また、豊富にとれるトロピカルフルーツから作られた、バティードス(シェーキ)やチチャ(ジュース)がよく飲まれている。パナマにはこれら郷土料理を提供するレストランが多くあり、首都パナマ市では日本料理を含む世界各国の料理を楽しむことができる。
パナマの歴史
パナマの歴史は、1513年にスペイン人の探検家バスコ・ヌーニェス・デ・バルボアが太平洋側に到達した(太平洋のヨーロッパ人による「発見」)ことに始まる。その後1519年に、この地域の総督として派遣されたペドラリアス・ダビラによって現在のパナマシティの東に位置する「パナマ・ビエホ」が建てられ、太平洋岸で最初のスペイン植民都市が成立した。
1671年1月28日にイギリスの海賊ヘンリー・モーガンがやってきて、焼き討ちにあうまでのおよそ150年もの間、町は貿易港としての役割や、政治的な植民都市を多数建設するための前線基地として繁栄を極めた。海賊によって町が崩壊された2年後、西へ11キロメートルに位置する「カスコ・ビエホ」に全ての都市機能は移転した。防衛機能が最初の都市に無かったことを教訓に堅固な岬先端岩盤部分に都市が建設され、10メートル以上の防壁を周囲に伴い、町はその中に建てられた。
1821年にはスペインから独立し、大コロンビアの州となった。1831年には大コロンビアからの独立をヌエバ・グラナダ共和国が宣言し、この一部としてパナマも独立した。1855年には自治権をヌエバ・グラナダ共和国から獲得、1863年にコロンビア合衆国が成立した。1903年11月3日、ついにコロンビアからの独立を果たし、パナマ共和国が成立した。「パナマ・ビエホ」と「カスコ・ビエホ」の中間地点に建てられた今日新市街と呼ばれる地域は、近代的な建物が立ち並び、建国当初、フランスに次いでアメリカが建設したパナマ運河の関連企業などの進出に伴い、現在では国際金融都市としての発展を遂げている。