数々の世界遺産と美しい大自然に囲まれた国、ルーマニア。中欧で唯一のラテン民族の国で、明るくおおらかな国民性といえる。
ルーマニアは大きくトランシルヴァニア、モルドヴァ、ワラキアの3つの地方からできている。モルドヴァとワラキアはそれぞれ中世にできた国が元になっており、現在のルーマニアの基礎となった。トランシルヴァニアは第一次世界大戦後にハンガリーから独立してルーマニアに統一された。したがってルーマニアは現在もハンガリー人を国内に抱える他民族国家となっている。
ルーマニアは中世と現代が混在した国である。都市から郊外へ出ると美しい田園風景が広がり、車と荷馬車が一緒に走っている。田舎の教会には、日曜日には民族衣装をまとった人々が礼拝に集まる。
トランシルヴァニア地方にあるドラキュラ城のモデルになったブラン城や、時計塔のある街シギショアラなどを初めとして、各都市の町並みは中世の面影が今なお残り、訪れた観光客を魅了してやまない。