ロシアのグルメ
ロシア料理はグルメな人に絶大な人気を誇っている。広大な自然から生み出されるだけあって、ロシア料理は種類が多い。ロシア人の主食はパン。ライ麦を使った黒パンやブーラチカと呼ばれる白丸パンが食卓に並ぶ。
コースの前菜やカフェで食べられるブテルブロートは、薄切りのパンにたっぷりと具を乗せたオープンサンド。定番はサーモンだが、イクラやサラミなど日本人にとっては珍しい具もパンにのせる。パンの中にサーモン、キャベツなどさまざまな具が詰まったピロシキはぜひ本場で試してみよう。日本では揚げたものを多く見るが、本場ロシアのピロシキは焼いているものが一般的だ。
寒さの厳しいロシアでは、スープが好まれる。有名なのはボルシチだが、他にも、酸味のある具だくさんのサリャンカ、白身魚と野菜をふんだんに使ったウハー、さっぱり風味のキャベツのスープシチーもオススメだ。
ロシアといえばウォッカ。本場には豊富な種類が揃っている。人気ナンバーワンは1999年に登場したルースキー・スタンダルト。プーチンカは最高級ランクのエチルアルコールを使っているが価格はそれほど高くなく、人気だ。
ロシアの豪華夜行列車の旅
今、ロシア旅行で密かな人気を呼んでいるのが豪華夜行列車だ。首都モスクワからロシア最大の観光都市サンクトペテルブルグ間を通っており、ツアーでも多く利用されている。飛行機や鉄道も通っている区間だが、豪華夜行列車での旅は格別だ。
中でも一番人気はロシア鉄道屈指の歴史を誇る「赤い矢号」。ロシアの優等列車に与えられる「フィールメンヌイ」の称号を持つ。鉄道ファンでなくとも一度は乗りたい列車だ。2人部屋の1等車と4人部屋の2等車がある。1等車はグレードが高く、お酒などドリンク飲み放題付きのチケットもある。一般の外国人旅行客に利用されるのは2等車だ。こちらでも十分快適に過ごせる。
モスクワ-サンクトペテルブルグの所要時間は8時間。豪華列車の旅はきっと旅行者を飽きさせないだろう。
ロシアの教会巡り
ロシアの文化に触れたければ、1000年以上の歴史を持つロシア正教の教会を訪れてみよう。そこにはロシア文化がしっかりと根付いている。
現存するロシア最古の教会は、ノヴゴロドにあるソフィア大聖堂だ。世界遺産にも登録されている。聖書物語が刻まれた聖堂のドアや、12世紀に描かれたイコン「オラントの聖母」は見ごたえがある。
モスクワにあるウスペンスキー大聖堂はモスクワのクリムソン(要塞)の中心的存在だ。世界遺産にも登録されている。かつてロシア帝国の国境大聖堂とされ、ロシア皇帝の戴冠式やモスクワ総主教の葬儀などロシアの歴史の舞台ともなった。壁と屋根、円柱には一面見事なフレスコ画が描かれ、中でも見ものは12世紀の聖ゲオルギー像と13~14世紀の聖三位一体像だ。
同じくモスクワにあるノヴォデヴィチ修道院のシンボル、スモレンスキー聖堂も500年の歴史を誇っている。聖堂内部では見事なイコノスタスやフレスコ画を見ることができる。修道院の城壁の外には湖があり、チャイコフスキーが湖の周囲を散策しながらバレエ「白鳥の湖」の構想を練ったという逸話も残る。
ロシアの宮殿巡り
近代化を推し進めたピョートル大帝後のロシアでは、ヨーロッパに負けじと豪華な宮殿が次々と建てられた。そのどれもが当時の帝政ロシアの豊かさを象徴したもので豪華な造りとなっている。戦争で被害を受けたものも少なくないが、現在は修復されている。
サンクトペテルブルグにある冬宮は、ロシア観光において一番人気のスポットだ。現在は世界屈指の大美術館であるエルミタージュ美術館として利用されている。女帝エリザヴェータの命令で1762年に建てられたバロック様式の宮殿。後にエカテリーナ2世が建て増しを行い、自分の「隠れ家(エルミタージュ)」とした。黄金でできた豪華な客間は見ごたえがある。夜ライトアップされた姿も美しい。世界遺産に登録されている。
サンクトペテルブルグから南に25キロの位置にあるツァールスコエ・セローの町は皇族の夏の住まいとして使用されてきた。豪華な宮殿群の中の目玉はエカテリーナ宮殿だ。1724年にピョートル大帝の妻エカテリーナ1世のために建設された。エカテリーナ宮殿の「琥珀の間」は絶大な人気を誇る必見のスポットだ。