アルマティの観光スポット
・メデウ
アルマティの中心部から南へ16km上ったアラタウ山にある、観光・スポーツ施設で標高1700m。メデウ・スケートリンクは1961年に開設されここで多くのスケート世界記録が出されているため「世界記録の工場」などと言われた。現在でも世界大会が行われているが、土日には一般市民にも開放されており、アルマティ市民の憩いの場となっている。毎年夏には海外の歌手を招いて国際歌謡コンクールが実施されている。スケートリンクの他にも小さな遊園地施設やレストランが併設されている。
・コク・トペ山
アルマティの南東に位置する小高い丘のような海抜1130mの山。ここからはアルマティの町が一望できる。山頂へはカザフスタンホテル近くのケーブルカーに乗って10分たらずで行くことができる。
・カザフスタン国立中央博物館
旧大統領官邸の横にある、カザフスタンで最も充実した文化遺産を展示する博物館である。建物はモスクをモチーフにしたと言われる。その豊富な展示物からは先史時代から現代までのカザフスタンの歴史を知ることができる。
・パンフィロフ28戦士公園
ゴーゴリ通りとカズベク・ビイ通りの間、日本大使館やアルマティ国立大学の隣にある。パンフィロフとは当地で編成された舞台の指揮官で、この公園では第二次世界大戦でナチスドイツの戦車18台をモスクワ付近で破壊したパンフィロフ部隊所属の28人が記念されている。
アルマティの交通
アルマティ中心部より18kmのところにアルマティ国際空港があり、カザフスタンのフラッグキャリアであるエア・アスタナ(KC)のハブ空港となっている。エア・アスタナは日本へは就航運航していないが、東・南アジアでは北京、ソウル、バンコク、クアラルンプールを繋ぎ、ロシアや中央・西・南アジアへ多く就航している。
現在アルマティ地下鉄(almaty metro)を建設中。全長45km、平均時速は40km、2011年6月の開業を予定している。完成すると中央アジアではウズベキスタンのタシケント地下鉄に次ぐ2番目の地下鉄路線となる。
地下鉄以外に電車が走っており、ロシアやウルムチへの国際列車がアルマティⅠ駅、Ⅱ駅を往来する。Ⅰ駅はアルマティの北部に位置し、人も建物も少ないため乗り降りは少ないがⅡ駅が街の中心部にあり始発、終点となる。モスクワ行隔日、ウルムチ行きは週2便が運行。他に路面電車、バス、トローリーバス、タクシーが交通手段となる。
アルマティの日本人墓地
アルマティには日本人抑留死亡者の埋葬地が3か所ある。最大のものは市北部のライムベク通り沿いにある中央墓地で、そこには145人の日本人が埋葬され、整然と墓石が並ぶ。またロシア人・ムスリム共同墓地にも38人の日本人抑留者が埋葬されている。毎年夏には日本人会で墓地の清掃を行っている。
第二次世界大戦後、カザフスタン全土では推計56,000人の日本人が拘留され、1394人が亡くなった。アマルティにも第40戦争捕虜収容所が置かれ、収容所支部は現在のテレビセンター地区やアルマティ第Ⅰ駅にあったとされる。ここに抑留されていた日本人は主にアルマティ市建設に従事し、旧国会議事堂、科学アカデミー、第7発電所、アブライ・ハン通りやジェルトクサン通りにある古いアパートメントを作ったと言われている。また第7発電所は現在もアルマティ市に電力を供給している。カザフスタンの人々の日本人観は「勤勉」「清潔」であり、このような観の形成には日本人抑留者の態度が大きく反映していると言える。
アルマティの観光誘致
石油・天然ガスなどの豊富な資源を持ち、急速な経済成長を遂げるカザフスタン。広大な国土には、東部に天山、アルタイ山脈の雄大な自然が広がり、南部には歴史上数々の遊牧民が活躍したシルクロードの名所など観光資源に恵まれている。しかし、こうした一面はあまり知られていないため、カザフスタン政府は2006年に観光スポーツ省を設立し2007年からは巨額を投じて観光振興に取り組んでいる。
アマルティ中心部から約20kmのところにある高さ3000m級のスキーリゾート、シンブラクではリフト等の整備が進み周囲には高級なコテージや別荘が並んでいる。また、近郊の大アルマティ湖は標高2500mの山中に地震でできた湖で太陽の光の角度で湖面の色が変化する美しい湖である。
しかし、商業・文化の中心地で海外からの玄関口であるアルマティでは慢性的な交通渋滞などで大気汚染が進んでいる。自然を売りにしているが、観光誘致を進める中で環境の悪化も比例してしまっているのも現状である。