西アフリカ、ナイジェリアの都市出或るラゴスは、1991年12月にアブジャに遷都するまで首都だった。ナイジェリア南西部のギニア湾岸に位置し、ラゴス島、イコイ島、ビクトリア島および本土部分の四地区からなる。ラゴス島は古くから発達した中心地区で、高層ビルに混じって旧総督官邸、ヨルバ人の首長(オバ)の宮殿、国立博物館、大聖堂などがあることで知られている。イコイ島の南のビクトリア島は、もっとも開発の歴史が浅く、外国人が多く居住する高級住宅地で、ホテルも多いのが特徴。
ラゴス島対岸の本土側には、ナイジェリア最大の貿易量を誇るアパパ埠頭(ふとう)がある。また、北に同国の空の玄関口であるムルタラ・ムハンマド国際空港も立地している。空港周辺にはナイジェリア最大の工場地帯があり、自動車組立て、金属加工、ビール、繊維、タイヤ再生、家具製造、印刷、製靴の工場が建ち並ぶ。
この東側にはラゴス大学のキャンパスが広がり、70年の歴史をもつキングズ・カレッジほか、多くの高等教育機関が集まっている。町は15世紀ころポルトガル人が渡来して以来、交易基地として発展した。1861年イギリスの保護領とされ、以後イギリスのナイジェリア支配の拠点となった。1906年南ナイジェリア保護領に編入され、14年南北ナイジェリア保護領が合併されたとき首都に選ばれた。1976年、首都を内陸のアブジャに遷都することが決定され、91年に移転。地名はポルトガル語で入り江を意味する。