エマーム・ホメイニー国際空港はイランの首都テヘランの南約30kmにある国際空港。
以前はテヘラン市内にメヘラーバード空港という国際空港があり多くの国際線が就航していたが、空港の規模が小さかったためエマーム・ホメイニー国際空港を建設。その後、メヘラバード空港は国内線の空港として生まれ変わり、エマーム・ホメイニー国際空港には現在は30以上の航空会社が就航するようになった。
テヘラン市内からエマーム・ホメイニー国際空港までは車で約2時間かかるが、自家用車かタクシー以外の移動手段がないため、空港から移動する場合には事前に目的地までのアクセス方法を調べておくことが必要。
なお、イランに入国する場合はビザが必要となり、パッケージツアーを利用して渡航する場合は旅行会社を通じて取得可能だが、個人で行く場合には事前に手続き方法などを調べる必要がある。エマーム・ホメイニー国際空港での取得も可能。

到着ロビーは2階にあり、到着後は入国審査へ進む。入国審査では旅行者専用の列は無いため、どの窓口に並んでも良い。順番が来たら、パスポート、帰りの航空券、入国カード（飛行機内で渡されたら英語またはペルシア語で記入）を提出し、無事に審査が通るとパスポートにスタンプが押され返却される。この際に一緒に提出した帰りの航空券を受け取ることを忘れないように。

入国審査が終わると、預けていた荷物の受け取りができるため、荷物が流れてくるレーンへ移動し、自分の荷物を探す。その後は税関を通るが、その際にパソコンやビデオカメラ等の電子機器は鞄から出しておいた方がスムーズ。アルコールの持ち込みがないかどうかも検査しているため、ペットボトルの水等も一緒に出しておくと良い。

エマーム・ホメイニー国際空港の出発ロビーは3階。日本の空港と同じように出国の際に税関の申請カードは必要なく、荷物検査をするのみ。各航空会社のカウンターが並んでいるため、あらかじめ予約してある航空会社のカウンターで搭乗手続きを済ませる。チケットの発券が済んだら出国手続きに進む。出国手続きの際にはパスポートを提出すると出国スタンプを押してもらい手続きは終了する。

出国手続きが済んだ後にはカフェのようなお茶が飲める場所やお土産を購入できるようなお店もあるため、搭乗時間までの時間を過ごすことができる。なお、搭乗ゲートに行く前にフライトごとに手荷物検査を行っており、出発時間の約1時間前から手荷物検査をおこなっているため、時間に余裕を持って検査を済ませた方が良い。検査は男女別々の列のため、間違えることのないよう注意が必要。手荷物検査も終わり、搭乗開始時刻になったら指定されたゲートから飛行機に乗り込むことができる。

エマーム・ホメイニー国際空港からは公共バスや電車は出ていない。そのため、テヘラン市内などエマーム・ホメイニー国際空港からどこかへ移動したい場合、イランに知り合いがいれば迎えなどをお願いすることもできるが、個人での旅行の場合はタクシーを利用することになる。

空港の建物を出たところにタクシーブースがあるため、タクシーの手配をお願いすればそこからタクシーに乗車することは可能。ただし、タクシー料金の相場がわからない旅行者に対して高額な料金を請求する場合があり、交渉ができずに嫌な思いをする旅行者もいる。そのため、タクシー乗車時の注意点として、乗車する前にあらかじめ料金を確認して運転手と取り決めをしておけば、目的地へ着いた時に高額を請求されることはない。

イランへ入国をする場合には、ビザまたはeビザを取得しなければならないため、事前に手続きが必要となる。ビザまたはeビザがないと航空会社から飛行機への搭乗を拒否される場合もある。なお、パッケージツアーを利用する場合は、旅行会社を通じてビザの取得ができるケースがほとんどだが、個人でイランへ行く場合には自身で手配するか、手配業務を代行してくれる旅行会社などを探してビザを取得する。

ビザの申請手続きは大使館で行うことができ、イランに家族、知人がいる場合とイランに家族や知り合いがいない場合で手続きの方法が異なるため、イラン大使館のホームページをチェックして手続きを進める。なお、個人旅行で旅行会社等を通さずにビザを取得する場合には15日間の観光ビザに限り、イラン外務省のホームページから直接ビザの発給許可申請をすることが可能。

空港でビザの取得を希望する場合も、渡航前にイラン外務省のホームページから申請をし、許可を受ける必要がある。ビザとeビザの手続き方法に関しては、イランイスラム共和国大使館のホームページに詳しく書かれている。空港での手続きをスムーズに行えるよう、事前の準備が大切。

1979年のイラン・イスラム革命以前から空港の建設は行われ、空港の設計をする際にはダラス・フォートワース国際空港をモデルにした。しかし、イラン・イスラム革命の勃発により計画は一時中断した。その後、イランの技術やノウハウを活かした建設をイラン政府は決定したが、その計画も上手くいかなかった。その後、トルコ・オーストリアのコンソーシアムTAVに引き継がれ、建設が進められた。

2004年2月1日に開港が予定され準備は進んだが、その時にイラン石油省との協定調印の不調により新空港への燃料供給懸念といった問題を多く抱えていたため、開港は同じ年の5月8日まで遅れてしまった。そして、今まで国際線が就航していたメヘラーバード空港から国際線の移転が少しずつ進められ、現在は完全に移転が終了し、エマーム・ホメイニー国際空港に国際線、ヘラーバード空港に国内線が就航している。

ヘラン市内から約30km離れた国際線のエマーム・ホメイニー国際空港からテヘラン市内にある国内線のメヘラーバード空港までの移動手段は、現在のところ公共のバスや鉄道はないため、自家用車かタクシーでの移動方法のみとなっている。二つの空港の距離はだいたい70キロあり、空港からタクシーを利用して最低1時間～1時間半はかかるので、移動だけでも2時間は見ておいた方がいい。

空港のタクシーブースでタクシーを手配してもらった場合でも、事前に値段の取り決めを行い、交渉をした方が後で多く請求されることがなく安心。タクシーを手配する時間や70kmの移動時間、渋滞などがある場合にも備えて、最低でも3時間はトランジットに時間を取っておいた方が良い。