旅行中などに長時間同じ姿勢で座り続けると主に下半身の血流が悪くなる。またエアコンによる乾燥や十分な水分補給を怠ることで血液中の水分が減少し粘性が高まると、足などに血栓ができやすくなる。そしてその状態から長時間のフライトの後身体を動かすと、できてしまった血栓が肺や脳、心臓などに移動しこれらの臓器の血管を詰まらせ、時として命を落とすような重症になることがある。このような症状がエコノミークラス症候群で、旅行血栓症とも言う。座席の広いビジネスクラスやファーストクラスでもエコノミークラスより割合は少ないものの、発症者は出ている。飛行機に搭乗したら目的地まで1度も席を立たずに熟睡してしまうような場合、発症の危険性が高いと言える。フライトに限らず、長い時間同じ姿勢を続ける場合は、身体を締め付けない服装を身につけ、こまめに身体を動かしたり、コンスタントな水分摂取をこころがけることが非常に重要である。足に怪我をしている人、血が固まりやすい人、高齢者、妊婦、喫煙者、水分をあまりとらない人は特に注意が必要だ。