ピッツバーグのダウンタウン
ピッツバーグのダウンタウンはアルゲイニー川とモ ノンガヘイラ川に挟まれた、約1.7km2の三角形状の土地に密にまとまっており、ピッツバーグで最も高い建物であるUSスチール・タワーをはじめ、多数の高層・超高層の建築物が建ち並んでいる。
ダウンタウン内、アルゲイニー川沿いの14ブロックにわたる地区は、もともとは赤線地帯であったが、1984年に創設されたピッツバーグ文化トラストにより、劇場や美術館などの芸術・文化施設が建ち並ぶ文化地区へと変貌した。ピッツバーグの豊富な歴史資料を展示しているハインツ歴史センターとその併設のスポーツ博物館、噴水が美しい川に挟まれた公園ポイ ント・ステート・パークも徒歩圏内だ。
ケーブルカーとリバークルーズ
ダウンタウンから南のマノンガヘイラ川を渡ったサウスサイド地区の河岸にあるインクラインは、急勾配を一気に上がるケーブルカー。丘の上からの町の景色は格別だ。ケーブルカーは2本あり、ダウンタウンがよく見渡せるマノンガヘイラ線の乗り場はステーションスクエアの前、川の合流地点とポイント・ステート・パークを見渡せるデュケン線の乗り場は、ステーションスクエア前のCarson St.Westを3kmほ ど西へ行ったところから。
また、3つの川が合流する町ピッツバーグでぜひ体験したいのがリバークルーズ。1時間クルーズから、ランチクルーズ、 ディナークルーズといった食事付きのクルーズ(予約制)まで、好みに合わせて楽しみたい。乗り場はステーションスクエアの前。運行期間を確認して出かけよう。
アンディ・ウォーホル美術館
ノース・ショア地区に立地するアンディ・ウォーホ ル美術館はその名が示す通り、ピッツバーグが生んだポップアートの旗手、アンディ・ウォーホルの作品を展示している。1人の芸術家に特化した美術館としては全米最大のもので、7階建ての美術館には、ウォーホルがまだ学生だった頃の作品から1987年に亡くなるまでの約12,000点が所蔵されており、そのうちの約500点が展示されている。
「僕を知りたければ作品の表面だけを見てください。裏側には何もありません」と、徹底し「芸術家の内面」をなくし表面的であろうと努めたウォーホル。シルクスク リーン、素描、彫刻、オブジェ、フィルムなどの他に、家族のポートレートや彼宛ての手紙、彼個人のコレクションなども展示されており、非常に見応えのある美術館だ。
フランク・ロイド・ライトの建築物
ル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエと共に「近代建築の三大巨匠」と呼ばれ、旧帝国ホテルの設計者としても馴染みの深いアメリカの建築家フランク・ロイド・ライトが、ピッツバーグのデパート王、カウフマンの別荘として設計した「落水荘」(The Falling Water)へは、ピッツバーグから車で 約1時間半の距離。
建物は滝の真上に建てられ、しかもカウフマンが気に入っていた岩そのものが建物の一部になるように設計された。「落水荘はこの地球上で経験できる偉大な祝福のうちの1つである。 私はこの場所ほど、安らぎの原則が調和し共鳴している場所は他にないと思う。森、小川、岩、構成する全ての要素がとても静かに一体化され、一切の雑音がないかわりに、小川のせせらぎがそこにあるだけだ。落水荘を聴くということは、その場の静けさを聴くということなのだ。」とフランク・ロイド・ ライトが言った世界で最も注目された住宅は、完成から75年経った今も、世界中から見学者が絶えない。