ザルツブルクの世界遺産
歴史的背景が濃いザルツブルクは街並みの美しさも有名で、壮麗なバロック建築が立ち並ぶ旧市街が、文化遺産として1996年にユネスコ世界遺産に登録されています。ザルツブルクの旧市街地は、広場、中庭、噴水、教会と屋外市場で満ちています。中でもザルツブルクのどこにいても目につくのが、ホーエンザルツブルク城です。標高508メートルに位置するこの城塞の内部は、ブルク博物館となっており、後期ゴシック様式の壮麗な部屋を見ることができます。
また15世紀までは大司教の住居として使用され、その後は兵舎または牢獄として利用されていました。外敵に占領されたことが一度もなく、ヨーロッパ中世のものとしては完璧に保存された稀有な例となっています。城にあるレックの塔からは北に市街地・南にアルプス山脈をみることができ、景色を見に訪れる人も多いようです。現在ケーブルカーも設置され年間90万人ほど人が訪れるウィーンのシェーンブルン宮殿に次ぐ、オーストリア第二の観光名所となっています。
ザルツブルクの歴史
ザルツブルクという名はドイツ語で「塩の城」の意味を持っています。昔は塩と金は同じくらい貴重だったため、岩塩の産地であったザルツブルクは塩の集積地として発展してきました。7世紀末には聖ペーター修道院が建てられ、この地域がカトリック布教拠点となったことで、町は新たな歴史を歩み始めていきます。カトリックの大司教が布教活動を進め、広大な土地と多くの富を得て、ザルツブルクに多くの宮殿・城や教会などを築いていきました。旧市街からすぐの丘の上にあるホーエンザルツブルク城もその時期に作られた建物です。
ザルツブルクは1816年にオーストリアに併合されますが、第2次世界大戦中、大きな爆破と大規模な破壊によって、約7,600件もの家屋が破壊されました。しかし、大規模な破壊によってもザルツブルグのバロック建築の殆どが傷つくことなく残されており今は多くの観光客を魅了しています。また1965年にはザルツブルクとその近郊を舞台にした映画【サウンド・オブ・ミュージック】が世界中で公開され、ザルツブルクの歴史的建造物や自然の豊かさに注目が集まりました。
ザルツブルク音楽祭とモーツァルト
世界的に有名な作曲家であるモーツァルトはザルツブルクで生まれ、ウィーンに移り住む25歳まで住んでいました。ザルツブルクの空港も、「ザルツブルク・ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト空港」と名付けられているほど、ザルツブルクの人々にとってモーツァルトの存在はとても重要です。現在も旧市街にはモーツァルトの生家が残っており、現在はモーツァルト家の資料・楽器などが展示してあり家の中を見学することもできます。
音楽を愛する人の巡礼地になっているザルツブルクでは、毎年7月の下旬から5週間にわたって【ザルツブルク音楽祭】が開催されます。この音楽祭は、1877年から開催が始まりモーツァルトを記念としており、世界的に有名なオーケストラ(ウィーンフィルオーケストラ)や指揮者、ソリストや歌劇団がザルツブルクに集い公演を行う世界的にも有名な音楽祭です。毎年この公演は、1960年に完成した旧市街に位置する、ザルツブルク祝祭大劇場で行われています。
ザルツブルクのアクティビティ
日本のように四季をはっきりと感じることができるザルツブルクは、アルプスの山々に囲まれ街の中にいても大自然を感じることができます。夏の間は、ハイキングやサイクリングを楽しむことができます。ハイキングに関しては、専門ガイドによるアルプスの大自然を楽しむハイキングツアーが各地で実施されており、家族で気軽に楽しむことができます。またツヴェルヴァーホルン(十二使途山)の刺激的な景色を見に行く観光客も多く、ここは標高1522メートルの山で、登山をしなくてもケーブルカーで登って自然の空気を存分に楽しむことができます。
ザルツブルクの冬は、多くのスキー客で賑わいます。ザーラハ谷は冬のスキーファンに人気のスキー場がいくつかあります。スキー上級者~初心者共に楽しめるスキー場です。 ケーブルカーやスキーリフトも充実しており、スキーヤーに人気のスキー場の一つです。山々に囲まれた静かな温泉保養地も多くあるため、スキーと一緒に温泉に入りながらのリラックスを楽しみに訪れる観光客も多いです。