相手国を経由して第3国へ運航する場合、相手国と第3国との区間のみ利用する旅客や貨物を運送する権利のこと。例えばシンガポール航空はシンガポール-成田-ロサンゼルスという路線を運航しているが、日本において成田-シンガポール間のみを利用する航空券を販売する権利を有している。以前は航空機がノンストップで航続できる距離に限りがあったため、長距離路線では給油のためにどこかに立ち寄る必要があった。しかし立ち寄った場所でも着陸料などの経費が発生してしまう。従って経由地と最終目的地との間を利用する旅客なども取り込むことで、収益を保てるようにするために導入されるようになったのが始まりである。なお例えば成田とバンコクを結ぶ路線は、本来日本とタイの間で航空交渉が行われ、両国の航空会社が利益を確保できるようにする。しかしこの区間はデルタ航空やユナイテッド航空も運航していて、特にデルタ航空は成田-アジア各都市間の路線を多数運航し、成田をハブ空港の一つとしている。これは日本が第二次世界大戦に敗戦したことが影響している。このように国同士の力関係により以遠権がアンバランスなこともある。