ベルンの世界遺産
ベルンは1405年に大火災があり、それまでの木造建築に代わり、石造りや赤い瓦屋根の街になった。現在残るのは15、6世紀から近世にかけた建物が多い。ベルンの旧市街は1983年にユネスコの世界文化遺産に登録された。
旧市街の中心にある時計塔は1770年にバロック様式で建てられたもの。ただし時計は1530年製作の貴重な遺産である。スイス一の高さ100mを誇る尖塔をもつ大聖堂も見ごたえがある。後期ゴシック様式の大聖堂は、約470年の歳月をかけて1893年にようやく完成した。「最後の審判」のレリーフや、ステンドグラス、パイプオルガンも壮大だ。
旧市街には彫像が立つ泉が11ある。それまでの木製のものに代わって、16世紀に造られたものであり、正義の女神が立つ「正義の泉」、「子喰い鬼の泉」、「アンナ・ザイラーの泉」などがある。子食い像は諸説あるが、中世都市一般に見られたユダヤ人軽視の象徴であり、ユダヤ教では宗教儀式に子どもを食したという根も葉もない噂に由来するという説が有力のようだ。アンナ・ザイラーは1354年にベルンの貧窮者のために全財産を投げ打ってベルン最初の病院を作った女性である。柱に据えられた英雄や伝説上の人物を眺めながら、ベルンの歴史に想いをはせるのもまたいいだろう。
ベルンのアーケード街
ベルンの街の特徴は、何といっても石造りのアーケード街。ヨーロッパ最長の6キロにも及ぶアーケードのおかげで天候に関係なく町歩きを楽しむことができる。メインストリート沿いのアーケードは石を組んだアーチが続き、中世の趣が伝わってくる。アーケードの内側はさまざまなショップ、カフェ、レストラン、ホテルが並んでいる。文具や雑貨など個性的でセンスのいい小物も揃っているのでおみやげ探しが楽しめる。
また、スイスといえばチョコレート。アーケード街にもチョコレート屋があるのでおやつを楽しんで。オススメは生チョコやドライフルーツを生チョコで包んだアプリコットやプラム、オレンジソースが入ったマンダリン。
ベルンの博物館と美術館
ベルンには質の高い美術館や博物館も多数ある。建物も一見の価値があるベルン歴史博物館にはベルンの歴史資料はもちろんスイス全土から世界史まで多岐にわたる資料が集められている。大聖堂の最後の審判のオリジナル、ハプスブルク家の宝物から日本の仏像まである。また、アインシュタイン博物館を併設しており、こちらも必見だ。ベルン市内には特殊相対性理論が生まれたアインシュタインの家もあり、博物館とセットで訪れるといいだろう。
ベルン美術館もスイス屈指のコレクションを誇る美術館だ。ボドラー、アンカーなどスイスの作家を始め、世界中から作品が集められており、シャガール、ピカソ、マティス、ポロックなど19、20世紀の名画を観ることができる。
もうひとつオススメしたいのが、2005年にオープンしたばかりのパウル・クレー・センター。ベルン中央駅からバスで10分の丘陵地帯にあり、レンゾ・ピアノ氏が設計した斬新な建物が特徴だ。色使いと画期的な画法で世界的に有名なパウル・クレーの作品が4000点所蔵されている。
ベルンのマーケット
街の歴史と同じくらい古いと言われるベルンのマーケット。市内のさまざまな場所で開かれている。冬季を除き毎週火~土の終日ベーレン広場で開催されているのが野菜・くだもの・花市。最もベルン人の生活感のあるマーケットといえる。オススメは大聖堂通りで火・土の朝開催される食料品と花市。クリームとバターが入ったパンケーキ、ガトー・デュ・ブリ(Gaateau du Vully)が絶品!チーズ屋さんのトリュフ入りブリーチーズもおいしい。
工芸品・民芸品が好きな方はハンドクラフト市もオススメ。3-12月の第一土曜、大聖堂広場で行われている。クリスマスマーケットは雰囲気が最高!11月下旬からクリスマスまで、大聖堂広場とヴァイゼンハウス広場で毎日開催している。