サンパウロは、1532年にポルトガル人マルチン・アフォンソ・デ・ソウザが海岸のサン・ビセンテに到着し、発見されたピラチニンガという土地が、やがて、南米の大都市サンパウロに発展したというのが起源となります。「ピラチニンガ」は、先住民のトゥピー・グアラニ語で「日干しになった魚」という意味があります。かつて、メルカード・ムニシパルのすぐ近くを流れているタマンドゥアテイ川は氾濫する習慣があり、溢れた水がひいた後、陸地に残った魚が日干しになっていたことに由来しています。
サンパウロはブラジル南東部に位置するサンパウロ州の首府で、ブラジル最大かつ南半球最大のメガシティです。市街地には高層ビルが、郊外には多くの工場が立ち並ぶ大都会で、ブラジルのみならず南米の経済、文化の中心地の一つです。2010年の国際連合の統計によると、近郊を含む都市圏人口は2026万人であり、東京、デリーに次ぐ世界第3位です。2010年、アメリカの外交専門誌フォーリンポリシーにより、世界第35位のグローバル都市に選ばれており、同国ではリオデジャネイロを凌ぎ、第1位です。サンパウロには、日本やアメリカ、スペインやドイツなどの世界中の大企業や金融機関などが古くから多数進出しており、パウリスタ大通り近辺や新ビジネスエリアにはこれらの企業のオフィスが集中しています。平均収入はブラジルで最も高く、2009年には個人所有のヘリコプターとヘリポートの数が世界一になっています。
イタリア系やポルトガル系、スペイン系、ドイツ系、シリア系、レバノン系、ユダヤ系、日系の人口が特に多い他、最近では韓国などのアジア諸国からの移民が増えています。なお、「サンパウロ(Sao Paulo)」は、ポルトガル語でキリスト教における聖人の1人である「聖パウロ」の意味で、漢字では、「聖市」と表記されます。