アエロフロート・ロシア航空(Aeroflot Russian Airlines)はソビエト連邦の国営航空会社として1923年に設立されて以来、ソ連最大の航空会社として運営されてきた。特に第二次世界大戦後の冷戦期は、ソ連の航空技術を知らしめるショーウィンドウ的な役割を持ち、世界で2番目に実用化されたジェット旅客機であるツポレフTu-104や、世界最大級のターボプロップ旅客機であるツポレフTu-114の就航、世界初の超音速民間旅客機であるツポレフTu-144の就航などを担った。
旧ソ連の崩壊に伴う体制の変化を受け、ソ連時代、「ソ連唯一の航空企業」だったアエロフロートは、新たに生まれたロシア共和国の国内線とその主要都市を拠点にする国際線ネットワークを展開するエアラインになった。
ロシア国内にも新興エアラインが起業する中、アエロフロート・ロシア航空は旧体制時代の長距離国際線を維持すると共に、機材、サービスのハード面で欧州のエアラインと対等に競合出来る企業基盤の確立に注力した。