コスタリカの世界遺産
コスタリカには、ユネスコによって世界遺産に指定された自然遺産が2件存在し、さらにパナマにまたがって1件の自然遺産が登録されている。コスタリカとパナマにまたがる世界遺産である「タラマンカ山脈=ラ・アミスター保護区群とラ・アミスター国立公園」は、標高3,891メートルのセロ・チリポ峰やセロ・デ・ラ・ムエルテ峰などを有する山脈で、カリブ海地域は前人未踏の場所が多く残っている。
ラ・アミスター保護区とラ・アミスター国立公園は、総面積5,654km2の広大な土地に広がり、熱帯雨林地帯・雲霧地帯・高原地帯・火山など変化に富んだ地形を持つ。絶滅の危機に瀕しているケツァールや、南北アメリカにしか存在しないと言われる、空中で停止して花の蜜を吸う「ハチドリ」の仲間や鳥類や青く美しく光る羽を持つモルフォチョウなど、貴重な昆虫、動植物の宝庫である。
コスタリカのグルメ
コスタリカはかつてスペイン領であったほか、ヨーロッパやアジアなど世界各地からの移民が住んでいるのため料理も多種多様で、スペイン料理やイタリア料理のほか中華料理など、それぞれの国・地域の本格的な料理が楽しめるレストランが多数ある。
地元の郷土料理はティコ(Tico)料理またはコミーダ・ティピカ(comida tipica)と呼ばれ、黒インゲン豆や赤インゲン豆まどの豆類や肉類、バナナなどが食材として使われているのが特徴である。米も主食として日常的に食べられ、家庭料理ではトマト風味の煮込み料理が多い。
また、トウモロコシの粉で作った薄いクレープ状のトルティーヤも様々な料理と共に食べられる。コスタリカの代表的な料理として、黒インゲン豆と米を一緒に炊きサルサなどで炒め煮したガジョ・ピント(Gallo Pinto)やジャガイモ・トウモロコシ・にんじんなどの野菜類と牛肉を煮込んだオージャ・デ・カルネ(Olla de Carne)というスープなどがある。
コスタリカの首都 サンホセ
コスタリカの首都であるサン・ホセは、タバコやコーヒーの取引により急速に発展した。政治・経済・文化・交通などの中心地であるサン・ホセには、多くの人々が集まる。サン・ホセの中心地は区画整理がされており、比較的わかりやすい構造になっている。中でもアベニーダ・セントロ(中央通り)沿いには様々な店やホテル・レストラン・市場・日本語が使えるインターネットカフェなどがあり、観光客にも非常に便利である。
また、中心部に位置するルネサンス様式の建造物である「国立劇場」では、1年を通してコンサートやオペラ・ダンス・演劇などを見ることができる。国立劇場に隣接した「文化広場」では大道芸人のパフォーマンスや音楽家のコンサートが開かれるなど、市民の憩いの場となっている。
さらに、先コロンビア時代の黄金装飾品や古くから使われてきた通貨を展示した「中央銀行博物館(黄金博物館)」や、コスタリカの歴史を垣間見られる「国立博物館」、国内で出土したヒスイ装飾品を展示した「ヒスイ博物館」などもあり、コスタリカの文化・歴史を知ることができる。
カルタゴ
コロニアル時代の色が未だに残る旧都であるカルタゴは、遷都後に起きた2度の地震により多くの教会が崩壊した。しかし現在ではその跡地に花が咲き、光のあふれる広場となっている。
この町の一番の見所である「カルタゴ大聖堂」は、1926年に再建されたビザンチン様式の大聖堂で、コスタリカの守護聖徒ロスアンヘレスを奉っている。「黒いマリア像」を祭るこの教会では、「カミナータやロサンヘスルの日」と呼ばれる8月2日には、毎年遠くはホンジュラスから歩いて参拝の人が訪れるほどの信仰を集めている。
カルタゴ大聖堂前には、1823年のイラス火山の噴火で崩壊された教会の遺跡である「カテドラル・カルタゴ」が残る。イラス火山国立公園にあるイラス火山山頂からは、太平洋とカリブ海を同時に望むことができる。また、オロシ渓谷は植民地時代の名残があり、コスタリカの歴史と伝統を見ることができる。
コスタリカ最古のコロニアル教会である「ウラハス遺跡」や1743年に建設された現存する最古の教会「オロシ教会」は現在も使用されている。