エクアドルの空の玄関口
エクアドルの空の玄関口は首都キトにあるマリスカル・スクレ国際空港と、最大の都市であるグアヤキルのシモン・ボリーバル国際空港である。どちらの空港にもヒューストンやアトランタ、マイアミなどの米国内の都市を経由して行くのが一般的である。所要時間は19~22時間程度。
どちらの空港も市内に近いため、空港からはタクシーでの移動が便利。ホテルのシャトルバスが送迎していることもある。ガラパゴス諸島への便もこの両空港から運航している。また、マリスカル・スクレ国際空港は街中に位置するため手狭となり、新キト国際空港(2010年開港予定)が建設中である。
エクアドルの世界遺産
エクアドルには4つの世界遺産(文化遺産2、自然遺産2)がある。
・キト市街(文化遺産)
キトの旧市街。石畳の道や古い建物、美しい教会などが昔のまま残っている。
・サンタ・アナ・デ・ロス・リオス・クエンカの歴史地区 (文化遺産)
スペインによる植民地として建設された。都市計画に沿った建設当時の街並みが400年もの間残っている。
・ガラパゴス諸島(自然遺産)
本土から西へ約1,000kmに位置する19の島々からなっている。この島でチャ-ルズ・ダーウィンが進化論の着想を得たことで知られている。隔離された環境の中で独自の発達を遂げたゾウガメやイグアナ、各種の鳥類などの動物類や、周辺の海では多様な海洋生物が生息する。
・サンガイ国立公園(自然遺産)
活火山であるサンガイ山とトゥングラワ山を持つ国立公園。公園内に幅広い高度を有するため、高さによって変化に富んだ動植物相を見ることができる。
エクアドルのグルメ
エクアドルは地形の多様性により地域ごとに食文化も異なり、地方色豊かである。シエラの主食は芋やトウモロコシ。牛、豚などを飼育しミルクを販売、また食している。海産物はほとんど手に入ることがない。代表的な料理は豚肉のフリターダ(から揚げ)や羊肉のセコ・デ・チーボ(煮込み)、ロクロ(スープ)などである。
コスタの主食は主に米やバナナ、ユカイモ、魚、エビ、貝類。代表的な料理はセビッチェ(エビや貝類の冷たいスープ)などである。また、オリエンテの食文化にはユカイモを主とした独自のものがある。キトやグアヤキルには多くのレストランがあり、日本料理を含む世界各国の料理を楽しめる。
エクアドルの歴史
紀元前1万年頃の人類の生存が、現在のエクアドルの地域で確認されている。様々な古代文明がその後栄えた。統合期と呼ばれる紀元700年~16世紀半ばまでは社会構造の基盤を身分制、首長制とし、祭祀センターが備えられていたことが確認されている。14世紀にインカ帝国が急速に拡大し、やがてエクアドルもその支配下におかれることとなった。
1526年、インカ帝国の王、ワイナ・カパックの死によって帝国が分裂すると、この地にやってきたスペイン軍によってワイナ・カパックの息子、アタワルパが1532年処刑され、スペインの植民地になる。スペインによる植民地時代は過酷なもので、独立の気運が次第に高まっていった。19世紀になり、ベネズエラから現れたシモン・ボリーバルによって、スペイン植民地は相次いで解放されていった。シモン・ボリーバルはコロンビア、エクアドル、ベネズエラを統合したグラン・コロンビア連邦を設立することを目指していたが、結局失敗し、三国は別々の道を歩むこととなる。
1830年8月、初代大統領のフアン・ホセ・フローレスのもと、エクアドルのコロンビアからの独立が宣言された。同年、隣国ペルーとの間で条約を結び国境が定められるも、国境紛争はその後も続き、1998年平和条約がようやく結ばれた。