南アフリカの世界遺産
南アフリカには大自然と人類の歴史が生み出したいくつかの世界遺産がある。
2000年に世界複合遺産として登録されたウカランバ・ドラケンスバーグ公園は、地殻変動によってつくられた絶壁が竜のように連なっており、壮大な景色を望むことができる。この地域ではサン族の壁画もいたるところに残されている。
北ケープ州にあるリフタスフェルトは2007年に世界文化遺産に登録された。ごつごつとした峡谷や高い山々が連なる砂漠地帯である。この地域ではナマ族の人々が伝統的な放牧生活を営んでいる。
ケープ植物区保護地域は2004年に世界自然遺産に登録された。面積はアフリカ大陸の0.5%に過ぎないが、アフリカ大陸の植物の20%が生育している。地球上に18箇所ある生物多様性のホットスポットのうちの1つとしても知られる。
南アフリカのグルメ
南アフリカの食文化は肉が中心というほど、よく食べられている。煮たり、焼いたり、干したりと多様な調理方法を用い、肉の旨味を引き出すために、多様なスパイスを使ったりドライフルーツを混ぜたりして味を調えるなどして、数々の伝統的料理が生み出されている。
国民的な料理はボボティ。挽き肉、パン、レーズンやアーモンドなどがたっぷり入り、ミートローフのような味わいの料理だ。カレー粉で味をつけたり甘いチャツネソースをかけたりと好みで試してみよう。ブルボースという南アフリカの太いソーセージはおつまみにぴったり。独特のスパイスが効いており、トマトソースをかけるとさらに美味しい。
ビルトンというビーフジャーキーのような料理も人気だ。牛肉にナツメグやオールスパイスなどのスパイスをかけて乾燥させたもの。こちらもおつまみにオススメだ。
世界でもっとも美しいケープ(岬)
ケープ半島は世界の湾岸線の中で最もすばらしいケープ(岬)といわれる。立法府の首都ケープタウンを中心にテーブル・マウンテンや喜望峰などの名所があるほか、海でも内陸の山でもバラエティに富んだレジャーを楽しめ、南アフリカ観光には外せない場所となっている。
ケープタウンから大西洋沿岸を北上すると、美しいビーチや漁港が点在するウエスト・コーストが広がっている。海岸では釣りやバードウォッチング、少し内陸のクランウィリアム周辺ではハイキングやクライミングなどを楽しめる。
ケープ半島の東からハマナスを中心とするオバーバーグ地方までの海岸ではクジラを見ることができる。また、この地方にはアフリカ大陸の最南端アグラス岬がある。さらに東に行くと、森や湖、ビーチがあり、シーズンにはウォータースポーツなどを楽しみに多くの観光客が訪れる。再び内陸部に入るとカルーと呼ばれる平原が広がり、国立公園などではシマウマやシカ、ダチョウなどの動物を見ることができる。
ワイン・ランド
南アフリカのワインは知る人ぞ知る銘酒だ。アフリカ各地には20以上のワイン生産地あるが、そのうちケープタウン東方に位置するワイン・ランドはアフリカワインの中心的な生産地だ。
ケープタウンから車を1時間ほど走らせ、山々を上り下りし峠を越えるとワイン・ランドの壮大な風景が広がる。山の麓のブドウ畑、17~18世紀にケープ・ダッチ様式で建てられた美しい建築などを見渡すことができる。
見どころをみて回るだけならケープタウンから日帰りで行けるが、ワイン・ランドには国の歴史遺産になっているホテルやゲストハウスもあるので、ぜひゆっくりと楽しみたい。多くのワイン醸造家や組合では酒造の見学ツアーを組んでおり、レストランやカフェを経営しているところもあるので、ワインとともに美味しい料理も堪能できる。